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斎藤 滋; 深谷 清*; 石山 新太郎; 雨澤 博男; 米川 実; 高田 文樹; 加藤 佳明; 武田 卓士; 高橋 弘行*; 中平 昌隆
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1573 - 1577, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:16.96(Materials Science, Multidisciplinary)国際熱核融合実験炉(ITER)の真空容器は、炉心の中心構造体としてブランケット,ダイバータ等の炉内機器を支持し、超高真空を保持するなどの機能が求められている。また、トリチウム閉じ込めの第一隔壁として安全設計上最も重要な機器と位置づけられている。本研究では実機への適用が検討されているSUS316L母材及び溶接継ぎ手(TIG,TIG+MAG及びEB溶接)について、JMTRを用いた中性子照射試験及び引張り試験やシャルピー衝撃試験などの照射後試験を行い、材料の機械的特性に与える中性子照射の影響を調べた。その結果、母材、TIG及びEB溶接継ぎ手については0.2~0.5dpaの照射後も十分健全性は保たれていた。しかしTIG+MAG溶接継ぎ手はシャルピー衝撃値等が極めて低く、実機への適用は困難であると考えられる。
西 宏; 衛藤 基邦; 橘 勝美; 小泉 興一; 中平 昌隆; 高橋 弘行*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.869 - 873, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.6(Nuclear Science & Technology)ITERの真空容器は2重壁構造を採用して2重壁内側からの溶接ができないため、不溶着部を有する構造となる。本研究では、ITERに採用予定の部分溶込み溶接継手について、継手や溶接金属の疲労試験より疲労特性を明らかにするとともに、有限要素法による継手部の弾塑性応力解析を行い、破壊力学的手法を用いた疲労寿命の予測を行った。得られた結論は以下の通りである。(1)不溶着部はき裂と同様な挙動を示し、溶接継手の疲労寿命の大部分はき裂伝播寿命であった。(2)継手の疲労き裂伝播速度はき裂発生時に加速する。これは不溶着部を切欠きと考えたときの切欠き効果と考えられる。(3)溶金のき裂伝播速度から破壊力学的手法を用いて継手の疲労寿命を予測できる。(4)不溶着部の長さが短くても不溶着部は継手の疲労強度を大きく低下させる。
西 宏; 衛藤 基邦; 橘 勝美; 中平 昌隆
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 8 Pages, 2001/08
ITERの真空容器は2重壁構造を採用し、不溶着部を有する構造となる。本研究では、ITERに採用予定の部分溶込みを有するT継手(外壁とリブ)と突き合わせ継手(外壁と外壁)について、継手や溶着金属の疲労試験を行い、疲労寿命や疲労き裂伝播速度を明らかにした。また有限要素解析を用いて両継手不溶着部の応力拡大係数範囲を計算し、継手と溶着金属の疲労き裂伝播速度を比較した。さらに破壊力学的手法を用いて継手の疲労寿命を計算し、不溶着部の長さが変化したときの疲労強度を予測した。その結果、以下のことがわかった。いずれの継手の不溶着部も先端が鋭くき裂と同様に挙動し、溶着金属部へ伝播する。したがって継手の疲労強度は不溶着部を持たない母材に比べ非常に低下する。また、継手と溶着金属の疲労き裂伝播速度は応力拡大係数範囲で整理でき両者は良く一致し、破壊力学的手法に基づい手計算した継手の疲労寿命は実験より得られた疲労寿命と良く一致する。さらに継手の不溶着部の長さが短く(1mm)なっても疲労強度は母材に比べ大きく低下する。
斎藤 滋; 深谷 清; 石山 新太郎; 雨澤 博男; 米川 実; 高田 文樹; 加藤 佳明; 武田 卓士; 高橋 弘行*; 小泉 興一
JAERI-Tech 2001-035, 81 Pages, 2001/06
国際熱核融合実験炉(ITER)の真空容器は、炉心の中心構造体としてブランケット、ダイバータ等の炉内機器を支持し、超高真空を保持するなどの機能が求められている。また、トリチウム閉じ込めの第一隔壁として安全設計上最も重要な機器と位置づけられている。しかし二重壁という特殊な構造のため、健全性の評価にあたっては従来の規格・基準が適用できない部分がある。原研では、このような特殊な構造に適用できる設計の基準案の整備とそれを裏付ける技術データの取得作業を行っている。本報告書ではそれらの中の一つである、溶接継ぎ手の中性子照射効果を明らかにするため、JMTRを用いてSUS316L母材及び溶接継ぎ手(TIG,TIG+MAG及びEB溶接)の中性子照射試験及び引張り試験やシャルピー衝撃試験などの照射後試験を行い、材料の機械的特性に与える照射の影響を調べた。
林 眞琴*; 大城戸 忍*; 森井 幸生; 皆川 宣明
Materials Science Research International, Special Technical Publication, 1, p.418 - 423, 2001/05
中性子の進入深さは、X線に比べ大きい。ステンレス鋼の配管等では10mm厚の管壁は十分に測定可能である。そのため、中性子回折法により応力腐食割れ、疲労き裂進展の応力による変化を求め寿命予測を行うことができる。日本では、このような目的研究を含んで、日本原子力研究所のJRR-3M原子炉中に残留応力解析用中性子回折装置が設置され研究が進展している。ここでは、今まで行われてきた研究として、弾性定数の指数依存性に伴う弾性定数の求め方、き裂進展に伴う応力再分配の測定,集合組織を持つ材料で作られたアルミニウム冷やし填め試料の残留応力評価方法について発表する。
門馬 義雄*; 山崎 政義*; 永江 勇二; 加藤 章一; 長谷部 慎一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-044, 22 Pages, 2000/03
高速炉プラントの新構造材料および寿命診断技術の開発では、従来強度評価の補強資料として定性的理解のみに用いられてきた材料組織の微視的観察結果とその分析データを定量的に把握し、組織変化が材料特性におよぼす効果あるいは相関性を評価する手法の確立が必要である。特に炉心構造健全性を保証するために、溶接継手部における高温長時間強度特性と組織変化の関係を明らかにする技術開発のニーズが高い。このため、高速炉容器の溶接金属について、クリープによる組織の経時変化を定量化する技術に取り組んだ。本研究では、まず高速炉容器用に開発された316FR鋼を母材として、16Cr-8Ni-2Moおよび共金系(18Cr-12Ni-Mo)の溶接金属のクリープ試験を823および873Kで行い、37,000hまでのクリープ破断データを取得することにより、そのクリープ特性を明らかにした。さらにクリープ破断した試験片平行部の組織観察を行い、析出物の面積を定量化し、その経時変化とクリープ損傷の対応についての検討を行った。溶接金属のクリープ強度は高応力短時間側で16Cr-8Ni-2Mo系が共金系よりも小さいが、低応力長時間側では16Cr-8Ni-2Mo系と共金系のクリープ強度が同等になる傾向がみられた。また、クリープ破断延性は16Cr-8Ni-2Moの方が共金系よりも優れていることがわかった。さらに、溶接金属の823Kでの低応力長時間および873Kではフェライト中に析出した相界面に発生する割れがクリープ破壊の起点となることを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量はいずれの温度時間においても共金系溶接金属よりも少ない。析出物の変化はマグネゲージで測定した残留フェライト量の変化と良く対応しており、フェライト量が時間の経過と共に減少するのに伴い、析出量は増加することを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属のクリープ破断材平行部の析出量とクリープ破断時間(対数)との関係をLarson-Millerパラメータ(LMP)で整理すると、1次式で表すことができ、この式から16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量の予測が可能になった。
本岡 隆文; 木内 清
JAERI-Research 99-031, 21 Pages, 1999/04
大型再処理施設に使用されるジルコニウム製の再処理機器の長期耐久性評価の観点から、沸騰硝酸溶液中で応力腐食割れ感受性を持つジルコニウムについて、TIG溶接継手の疲労き裂進展挙動を熱影響部(HAZ)中心に評価した。疲労き裂成長速度を沸騰硝酸溶液中と室温大気中で測定したほか、走査型電子顕微鏡による破面観察も実施した。室温大気中に比べて沸騰硝酸溶液中では疲労き裂成長速度が一桁高くなった。硝酸溶液中で試験した試料の破面は、脆性ストライエーション及び擬劈開型であった。母材、溶接金属及びHAZの疲労き裂成長速度の測定結果の比較から、硝酸溶液中では大気中に比べて、いずれもき裂の成長は加速されるが、その速度は同程度であることがわかった。
橘 勝美; 西 宏; 衛藤 基邦; 武藤 康
JAERI-Tech 99-024, 65 Pages, 1999/03
高温工学試験研究炉の中間熱交換機や配管のライナーなどの高温構造物に使用されているNi基耐熱合金ハステロイXRについて、母材、TIG溶接継手、及び溶接金属の大気中クリープ(破断)試験を950Cで行った結果、以下の事項が明らかにされた。(1)溶接継手のクリープ破断強度は短時間側では母材と同等であるが、1000hを超えると母材よりも低くなる。この原因は、溶接金属のボロンが濃度勾配により母材へと拡散したためと考えられる。(2)溶接金属のクリープ破断強度は、短時間側では母材よりも僅かに高めであるが、2000hを超えると低下する傾向が認められる。これも溶接金属に含まれるボロンの影響として説明できる。(3)溶接金属強度の方向差については、破断時間に関してはビードと直角方向の強度がビード方向の強度よりもやや高いが、差は僅かである。しかしクリープ変形速度に関しては、明瞭に差が認められ、溶接線に対して直角方向の伸びが大きい。(4)高温時効の影響は、溶接継手に対しては認められるが、溶接金属については明瞭に認められない。高温時効による強度の低下が継手ほどでないのは、濃度勾配がないためにボロンが拡散し難かったためと説明できる。
青砥 紀身; 天藤 雅之; 木村 英隆; 堀切 守人; 小峰 龍司; 平川 康
PNC TN9420 97-007, 786 Pages, 1997/06
高速増殖原型炉-もんじゅ-2次主冷却系Cループ中間熱交換器(IHX)出口温度計からのナトリウム漏えい事故における熱電対ウェル損傷部(ウェル段付部の破断部)以外を対象とした調査報告である。調査は、熱電対ウェルと管台、および管台と配管溶接部廻りの健全性の確認として、主に溶接欠陥または隙間腐食による熱電対ウェルの破損の可能性、ならびにナトリウム漏えい量評価上の支配寸法、漏えい経路等における情報を得る目的で種々の試験検査を実施した。試験検査は、当該温度計の熱電対ウェル破断部を除く部分の温度計、ウェル、ウェル-管台溶接部および管台-配管溶接部等で、以下に示す通りである。 (1)精密寸法計測 (2)温度計-ウェルの固定状況把握のための試験検査 (3)残留応力測定 (4)各部非破壊検査 (5)成分分析 (6)溶接部の金属組織観察 (7)硬さ試験 (8)隙間腐食に関する調査 (9)ウェルの強度特性試験 (10)シース高温曲げ試験(破断部を除く部分)
渡辺 勝利; 浜田 省三; 古平 恒夫; 菱沼 章道
ASM Conference on Welding and Joining Science and Technology, p.615 - 619, 1997/03
中性子照射環境下で用いられたことにより劣化した炉材料の補修には溶接技術が必須であると考えられている。本研究では、高速炉「常陽」で照射を受けた316ステンレス鋼ラッパー管を用いて、溶接性に及ぼすヘリウムの効果を検討した。得られた結果は(1)照射した溶接継手は非照射の溶接継手に較べて著しい延性低下を生じた。(2)非照射の溶接継手では溶接金属部において延性破壊したのに対して、照射した溶接継手では熱影響部のボンド部近傍において粒界脆性破壊を生じた。(3)このような粒界脆性破壊は粒界におけるヘリウム気泡の形成と密接に関連しているものと考えられる。
渡辺 勝利; 新藤 雅美; 中島 甫; 小池上 一*; 樋口 洵*; 仲西 恒雄*; 佐平 健彰*; 丸七 香樹*; 竹入 俊樹*; 斉藤 貞一郎*; et al.
JAERI-Research 97-009, 62 Pages, 1997/02
HTTR実機用ハステロイXR伝熱管材および実機用溶加材を用いて、伝熱管母材および溶接継手の引張特性およびクリープ特性を検討し、次のような結果を得た。引張特性に関しては、時効後の室温における強度変化は母材および溶接継手材ともに比較的少なかったが、著しい延性低下が両者ともに観測された。一方、クリープ特性に関しては、母材と溶接継手材について、900Cおよび950Cのいずれの場合にも、クリープ破断強度に関する差異は比較的少なかった。他方、板材と伝熱管材のクリープ特性について見ると、母材および溶接継手材ともに、管材は低応力・長時間側で板材よりもクリープ破断時間が若干低下する傾向が見られたが、管材のクリープ破断時間は、ハステロイXR母材のマスターカーブと同等以上であり、設計破断応力強さ[S]よりも充分に長いことから、実用上は特に問題ないと判断される。
小峰 龍司; 青砥 紀身; 加藤 章一
PNC TN9450 97-012, 75 Pages, 1996/11
本報告書は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の2次冷却系関連室漏えいナトリウム貯留設備に用いられているライナ溶接継手材(SM400B)を対象に、高温側の引張およびクリープ試験の結果について取りまとめたものである。得られた主な結果は、以下の通りである。・溶接継手材の基礎的な高温強度特性データを取得した。・引張強度は、試験片採取方向ならびに熱処理の影響は認められず、母材の並であることを確認した。・破断延性は、破断伸びおよび絞りともに母材と比較して低下した。特に、800 以上の温度域では金属組織変化の影響から急激な低下が認められた。・クリープ強度特性は、母材並の特性を得た。・800 近傍の温度領域ではフェライト相とオーステナイト相の2相が混在する組織であり、900 近傍では、オ-ステナイト相に変態するAc3 点域にあることを確認した。また、900 以上では、HAZ部の粒径が粗大化し、粒界破壊となった。なお、本試験結果は2次冷却系関連室漏えいナトリウム貯留設備の健全性評価の基礎データとして反映される。
林 眞琴*; 石渡 雅幸*; 森井 幸生; 皆川 宣明
材料, 45(7), p.772 - 778, 1996/07
大型構造物の溶接部周辺で疲労や応力腐食割れが進展すると、溶接残留応力がき裂部で解放されるため、き裂前方の残留応力が再分布し、それに伴って応力拡大係数の分布も変化し、き裂進展挙動が初期の残留応力分布から予想される挙動より変化する。き裂進展を考慮した高精度な余寿命予測のためには、構造物内部における表面き裂進展に伴う残留応力の再分布を非破壊で評価できる技術の開発が必要である。そのため、有限要素法による解析評価法の開発、中性子回折法による残留応力測定技術の確立を推進中である。残留応力を精度良く評価するために必要な弾性定数の回折面依存性を測定し、各回折面の弾性定数は巨視的な弾性定数を補正することにより、Kronerの単結晶に対する解析に良く一致することが明らかになった。これを元にソケット継手溶接部の残留応力の測定を行いひずみ取り焼鈍により残留応力の緩和挙動を評価した。
笠原 直人
PNC TN9410 95-213, 38 Pages, 1995/08
溶接継手のクリープ疲労強度は母材に対して一般に低下するが、従来の構造設計においては、保守的に決めた定数を用いて強度減少割合を評価する方法が広く用いられていた。これに対し、近年の高温構造設計の経済性と信頼性向上の要求に伴い、溶接継手の強度低下メカニズムを考慮した、より精緻な評価手法が必要とされるようになった。このため溶接継手の強度低下の主要因として以下の3点に着目し、このなかの力学的要因である、要因1と要因2の影響を弾性追従モデルの拡張により記述する方法を開発した。要因1:母材と溶接金属の治金的不連続要因2:溶接余盛り等の形状不連続要因3:溶接金属自体の材質劣化要因1の記述には、応力-ひずみ特性の異なる2種類の材料が接合された構造を記述する弾性追従モデルの提案を行った。さらに要因2については、本研究に先立ち提案した切り欠きに対する弾性追従モデルと治金的不連続に対するモデルの重畳により評価できるようにした。本モデルによる応力・ひずみ挙動の予測精度は、有限要素法による弾塑性解析結果との比較により実用的なものであることかが分かった。さらに、大洗工学センターのTTSを使用して得た溶接構造物の熱過渡強度試験データを用いて、溶接構造物クリープ疲労評価への適用性を確認した。
横野 泰和*; 緒方 隆昌*; 裏垣 博*; 大岡 紀一
軽金属溶接, 28(12), p.525 - 533, 1990/00
溶接継手の補修の要否の決定あるいは構造物の寿命推定などを行う場合は、欠陥の評価の信頼性、すなわち欠陥の形状、寸法及び位置の評価の信頼性が極めて重要である。第1報では、超音波探傷により溶接欠陥を検出する場合の信頼性について検討を行ったが、本報告では、第1報で用いた厚さ20mmのアルミニウム合金製の模擬欠陥試験体に対して熟練した技術者が試験を実施した場合の欠陥の分類、欠陥の寸法及び欠陥の位置の測定精度について検討した。
藤村 理人; 中崎 長三郎; 安藤 良夫*
溶接学会誌, 31(12), p.980 - 985, 1962/00
第1報ではアルミニウム合金溶接継手の溶接施工条件が溶接部気孔の発生におよぼす影響について、溶着部のガス含有量を分析してその傾向を求めた。さらに、第2報では溶接部気孔の検査法について、ガス分析法、断面検査法およびX線透過検査法によって求められた実験結果と比較して検討した結果を報告した。鈴木氏らは溶接条件と溶接部気孔の発生の関連について、1)溶接速度が大になると、気孔の発生が増加する。2)溶接電流が大になると、気孔の発生は減少する。3)溶接電圧が大になると、気孔の発生は増加する。4)バッキングを行なったものは行なわないものより気孔の発生は少ない、ことを報告している。著者らは第1報において、1)溶接入熱が大きいとき気孔の発生は少ない。2)板厚が大であるほうが気孔の発生は少ない、ことを報告した。
山下 拓哉; 高屋 茂; 永江 勇二; 伊達 新吾*; 友部 真人*
no journal, ,
フェライト鋼/オーステナイト鋼異材溶接継手を高速炉プラントへ適用することが検討されている。フェライト鋼/オーステナイト鋼間はインコネルを用いて溶接する。実機プラント使用温度条件である550Cでは、フェライト鋼とインコネルの界面で破断が生じる研究結果が報告されている。これらの研究結果の報告はTIG溶接またはTIGバタリング溶接を用いて製作された溶接継手を用いている。異材溶接継手の界面破断メカニズムについては多数の研究が行われているが、解明に至っていない。主要な要因としては、異材界面に平行なType I炭化物が析出・成長し、粗大な(1m)Type I炭化物近傍にキャビティが発生することが挙げられている。また、その他にも要因として、異材界面に生じるせん断応力、界面に沿った酸化物による影響、クリープ変形量の違い、および異材間の線熱膨張差による界面での応力集中というもの等が挙げられている。本研究では、改良9Cr-1Mo鋼/インコネルバタリング部を用いて試験片を製作し、温度550Cのクリープ試験を実施し、界面破断要因として挙がられている、界面近傍のType I炭化物の形成および界面に沿って形成した酸化物による影響について検討を行なった。その結果、以下のことが明らかになった。(1)Type I炭化物の成長・析出によりキャビティが発生・連結することは、界面破断メカニズムの主要因ではない。(2)酸化被膜の形成が界面破断を促進する可能性がある。
山崎 一敏*; 高尾 肇*; 菊池 孝浩*; 栗木 良郎*; 小林 正人*; 川久保 政洋*; 白瀬 光泰*; 岩田 裕美子*; 栃木 善克*; 中山 元*; et al.
no journal, ,
炭素鋼オーバーパックの腐食挙動に影響を及ぼす因子のうち、実験室規模試験では再現が難しい材料(大きさ)と現実的な環境因子を考慮するため、地下環境での工学規模試験を実施した。腐食現象を支配する因子を制御して評価することを目的として、地上において同規模のモックアップ試験も実施した。約3年間の試験の結果、模擬オーバーパック母材と溶接部の平均腐食量と最大腐食量に大きな差はみられなかった。一方、実験室規模試験とは異なり、初期の過渡的な期間では緩衝材と模擬オーバーパックの密着性による腐食の局在化も確認された。